就活の話①(続くとは言っていない)

 

5月中旬くらいからでしょうか。アパートにいるときに小さな黒あるいは茶色い影をよく見かけるようになりました。ああ今年もそういう時期か、こんなことで季節の移ろいを感じるような人間になりとうなかった、俺はどこで人生を...などと考えながらパチッパチッと手をたたき、手のひらを開いては成果を確認します。こちらの攻撃の手段はそれだけではありません。人間はずるくて弱いので、戦いには道具を用います。そして私も人の子です。一日二回くらい、大量虐殺兵器であるところのスプレーを敵のアジト(台所の排水溝及び三角コーナー)に向けて噴霧しています。おはようの後にプシュッ、おやすみの前にプシュッです(嫌な日課だ)。しかしこうした努力も虚しく、彼らは今日も私の目の前を縦横無尽に飛び回るのでした。この凄まじい生命力と繁殖力に関しては脱帽せざるを得ません。昔の生物学者たちがいとも簡単に殖やせる彼らを研究材料として抜擢したのもうなずけるというものです。

 

おっと、前回の豆腐の二の舞になるといけないので、そろそろ本筋に入りたいと思います。ぼくとコバエのウン日戦争の話はそれだけでブログ一回分の積もる話になりそうですし。

 

就活の話でしたね。実はこれついては「早めに書かないとな」と最近感じています。いや別に書かなかったとて誰が困るわけでもないし、地球は今日も回るわけなのですが、もし書くなら早めに...と。

 

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではないですが、記憶はどんどん失われていくものなので、ある経験に際して自分がどう感じたか、どう思ったかということも日に日に薄れていきます。で、最近自分の中で就活というものが急速に過去のものになりつつあります。客観的事実に関してはともかく(記録にも残ってるしね)、特に内面的な部分がさらさらと風化していくような感じです。まあ、あの頃の黒い感情を頭の中にずぅっと飼い続けるのはまっぴらごめんなのでそれでいいんですけど。

 

というわけで、書き出すものがまだ残っているうちに書いてしまおうと思いました。思い立ったが吉日です。以下、ざっくりとした振り返りになります。ネットリテラシー検定4級(自称)なので自分を含め個人・団体の特定につながりそうな情報はなるべく伏せています。ご了承ください。全くの余談ですが以下は東京行きの高速バスの中で書いたものです。何をしに行ったかはさすがに秘密ですが、ちょっと「虹を掴みに」行ってきました。

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解禁が3月からで最終面接が6月上旬にちらほらあったので、期間で言えば3ヶ月くらいでしょうか。インターンまで含めればかれこれ1年近く就活というものをやってたことになります

で、感想を一言で申し上げると、「ちゃんとつらかった」です。研究室の2個上のOGの人が「不眠気味になって薬飲んでた。」「何回か泣いた。」などと不穏なことをのたまっていたので「ひ、ひえ~~」という感じだったのですが、自分の場合はおそらく生き方が適当なのでそこまで追い詰められることはありませんでした。やったね!ただそれでも「つらい、めんどくさい、南の島に行きたい(?)」といった諸々の負の感情が常に心に居座っているのは感じました。また、自分の場合は「絶対この業界・会社に行きたい!これを成し遂げたい!」みたいな情熱・こだわりが欠落していたこと(人生に対する意識が低い)と、比較的早い段階(4月中)に「まあ、行ってもいいか」と思える会社に運良く内々定をもらえたことから深手を負わずに済んだと感じています。逆に言えば、「絶対○○したい!」という素晴らしい志を持ち、少ない的に絞って挑み、その結果うまくいかなかったという場合にはもっと強い絶望感や焦燥感に襲われるかもしれません。

念のために書いておきますが、私は就活成功組(?)ではありません。そんなもの「何を成功と捉えるか」によって違うのですが、少なくとも自分ではそう思っています。こだわりのない自分にも一応第一志望群と呼べるものは存在していましたが、それらに関しては結果として全落ちしています。まあ、たぶんよくある話で何となくこうなる気もしていましたが。就活が始まる前、正直もっと悲惨なシナリオも予期していたので、落ち込みこそあったものの心を思いっきり折られることは無かったように思います。(「折られる」が「祈られる」に見えましたね。就活はクソ。)理想は大事ですが、高すぎる理想は現実との乖離を生み、絶望の種となるので、自分を守るという意味ではハードルを下げてみることは大切だと思います。こと就活という”ゲーム”においては自分のレベル(どのように評価されるか)が自分でわからず、そもそも評価基準自体が非常に曖昧であることから"適切な"ハードル設定が難しいと考えられます。結果として、「受かると思ってたところから落とされる」「持ち駒が足りない」とかいうことが往々にして生じうるんだと思います。推薦などを使えば状況は変わってくると思いますが、基本的に"安牌"が存在しないというのは就活の怖いところです。

 

そういう意味でも個人的にはあまり期待しすぎず、「受かったらラッキー」くらいの心持ちでいるのが精神衛生上はよろしいのかなと感じます。「就活なんかうまくいかなくても全然大丈夫。私は幸せ。」という類の話はネットの海にたくさん漂っていると思いますし、根拠はないですが私もまあ、何とかなるっしょ!wと考えています。

 

正直、私は就活なんてガチャだと思ってます。社会人として働いたことのない人間がいくら自己分析?業界・企業研究?したって気休め程度にしかならないのでは?結局、外から眺めてわかることなんてたかが知れてて「実際働いてみないとわからない」部分が大半なんじゃないでしょうか。「会社や仕事の実情を知れる」で近年評判のインターンシップだって会社側が用意した舞台であり、営利組織である企業がリソースを割いてやる以上それは企業に利するように設計されていると考えるのが自然です。また、OB・OG訪問に関しても非常に少ない数のサンプルを見れるにすぎず、会社というものは「一部を見て全体を知る」のアプローチが通用するほど単純で均一なものではないでしょう。

 

なんかマ○ナビだのリ○ナビだの就活サービスに全面的に喧嘩吹っかけてる感じになってきましたが、別に今挙げてきたような”就活セット”は無意味だからやめろというような過激な主張をしているわけではありません。自分で言うのもなんですが、私は結構穏やかで争いを好まない人間です。実際、私はこのような準備をしたことで少なからず得られるものはあったと思っています。ここで言いたいのは「どれだけ頑張ってもお望みの会社に蹴られることは普通にあるし、仮に入れたとしてもそこに思い描いていた未来があるとは限らない。だってこれはガチャで、運ゲーで、ブラックボックスだから。まあ、なんか違うなと思ったらまたサイコロを振り直せばいいんだし、そんなに気負いすぎなくていいのでは?」ということです。

 

えー、振り返って文字数の多さに少し引いてしまったのでこのあたりで締めたいと思います。もし就活に関して”まともな”アドバイスやテクニックを期待して読んでくれた方がいたら申し訳ないですね。でも、ここにそんなものを求めて来るのは見当違いですよ?(逆ギレ)


就活の話はまだ続くかもしれませんし、続かないかもしれません。100%私の気分次第です。


私も今向かっている方向が正しいのかはわかりませんし自信もありませんが、とりあえず幸せになれそうな道を探して歩いてみたいと思います。

 

おやすみなさい。