転職活動回顧録④

前回の続き。面接が、始まる。

 

面接はすべてオンラインだったのでそこは楽だったが、それでもやはり大変だった。
これがあるので、しばらく転職活動はしたくないと思う。

 

面接前の準備がめんどくさい

書類は使い回しなので一度作ってしまえばOKだが、面接の準備となるとそうはいかない。
転職理由や現職での経験など共通で使える部分はあるものの、志望動機、想定するキャリアパス、逆質問などは企業ごとにカスタマイズする必要がある。
(詳しい説明は転職サイトに譲るが。)
そして、その材料集めのために企業HPを巡回することが求められる。結果、結構時間をとられてしまう。

 

仕事を早く切り上げる必要がある

会社にもよるが、面接は平日で、遅くても19時30分開始だった。中には「18時開始が最遅です。」という会社もあった。さすがに間に合わないので遅らせてもらったが。
地獄のような繁忙期こそ過ぎていたものの、定時に上がれるほど暇ではなかったので意識的に早く帰る必要があった。
転職前の会社は残業が常態化していたので、18時30分前に帰ると「オッ今日早いね?」という印象があるのだが、(別に何か言われるわけではない)
多い時には週3で18時頃に帰っていた。まあ傍から見たら怪しいだろう。毎日コンスタントに18時に上がれるなら「手空いてるんかなあ」で済むかもしれないが、
実際にはやることがあるため、面接のない日はどうしても帰りが遅くなりがちである。で、そうなると

「早く帰る日=何か用事がある日」

ということになり、

「平日に週3で早く帰る用事とは?」

となる。うーん。「歯医者」は言い訳として優秀である。割と短いスパンで通っても違和感が小さく、また大がかりな設定の作り込みが必要ない。
そのうえ仕事の事情で予約をずらさせるのは気が引ける。
とはいえ、さすがに週3で歯医者に行くやつはいないだろう。習い事・ジムなども検討したが「日にちとか時間にもっと融通効くはずだよね」となるし、長期にわたって掘り下げられる可能性があるのでボロが出やすい。
「どこのジム?俺も行ってみようかな笑」などと言われた日には頭を抱えるしかない。

 

「資格の勉強のために週に2,3日は早く帰るようにしてるんです~」もありだが、理由としては弱いし「試験いつ受けるの?」となってしまう。
時間を捻出したいのに、試験勉強の時間が発生してしまったら本末転倒であろう。
以上のことから、平日早く帰る言い訳には以下の要件が求められるのではないか。

  • 毎週、あるいは週に2~3回といった高い頻度で使っても不自然じゃない
  • 詮索されづらい。あるいは詮索されたとしてもボロが出にくい。
  • 社会通念上、仕事より優先しても仕方ない、「動かせない用事」として認められる。

ストレスが溜まる

ただでさえ毎日の労働を通してストレスは蓄積するのに、面接を受けている期間はそれが1.5倍から2倍くらいになる。
面接の日は、仕事から帰ってきて1時間程度面接を受ける。面接の後は忘れないうちに聞かれた内容やうまく答えられなかったことなどをメモする。
面接がない日は、早く帰った日の埋め合わせをするため帰りが遅くなる。
そうなると平日はあまり時間が取れないので、休日に次の面接に向けた準備をすることになる。
こんな風に自分の時間が削られていくので、ガス抜きがしにくい。
新卒就活の時も思ったが、人と話すのは本当にいいガス抜きになるのでオヌヌメである。あとはTwitterでぼやくとか。ともかく一人でため込まないのが吉だと思う。

 

 

まあそんなこんなでヒイヒイブーブー言いながらも面接は進んでいった。後半、持ち玉が減ってきたので適当に追加応募したが正直あまり気力はなかった。
(実際後半応募した企業はよく覚えていない。)「転職活動は長すぎると中だるみする」とアドバイザーも言っていたが、これは本当にそうだと思う。
あくまで個人的な所感だが、本格的に活動する(応募して選考を受ける)のは3ヶ月くらいまでが限度なのでは?と思う。実際、私は4月に始めて最終面接を受けたのが6月下旬になったわけだが、
「ここで納得のいく結果が得られなければ一度出直すか...」

と考えていた。これ以上惰性で続けても意味がないと感じていたのだ。

 

ここまで書いてきたように、面接を受け続けるのはしんどい。
そしてこの時期は毎日「や、辞めてえ~!!」と思ってた時期に比べると忙しくないので「別に無理に転職しなくてもいいんじゃね...?」などという悪魔の囁きが聞こえてくる。
これを”転職における「喉元過ぎれば熱さを忘れる」”現象と勝手に呼んでいる。転職欲求が高まる時期と、実際に活動する時期にずれがあると生じる。
ただあくまで「忘れている」だけなので、「転職したい」と思う原因が将来にわたって改善・解消される見込みがないのなら、私は安易に決断を曲げない方がよいと思う。
もちろん、「転職しんどいので撤退します」ではなく、他の会社と冷静に比較した結果「今の環境の方がいいわ」と考える場合はその限りでないが。

 

長くなったので今回はここまで。次回、最終回。